漫画家水木しげるが、11月30日93歳で亡くなった。私は、1965年週刊少年マガジンで「墓場の鬼太郎」が不定期連載されたのを読んだのが、水木作品との出会いである。熱烈なファンではなく、「ゲゲゲの鬼太郎」も「悪魔くん」も再読したいとは思わない。一番好きな作品は「コミック昭和史」で、必読の傑作と思う。水木しげるは妖怪作家で知られているが、歴史物作家としても優れた作品を残している。戦争で左腕を失い、40代中期までは、売れない漫画家だったが、人生の後半は経済的にも恵まれて、亡くなる年まで執筆をしている。幸せな人生だったと思う。