山本由伸は結局ドジャースに入団した。12年契約で3億2500万ドル、6年終了後と8年終了後にオプトアウトがつく。オプトアウトは以降の契約を選手が破棄できる制度で、今より良い条件が見込めるなら行い、見込めなければ行わないという選手有利の条件である。なお年俸は12年均等ではなく、年度が進むにつれて高くなる条件のようで、これは球団側に有利である。後の年俸が高いとオプトアウトをし辛くなり、オプトアウトされても均等払いよりも少ない年俸支払いで済む。オリックスは譲与金が72億円を見込んでいるが、これは12年分で、仮に6年終了後に山本がオプトアウトしたら支払われた年俸に対して譲与金は支払われるので30億円ぐらいに減ることになる。オリックスにはオプトアウトは損をするだけである。大谷、山本に次ぐ大物は佐々木郎希である。佐々木は2001年11月3日生まれの22歳である。佐々木本人は今シーズン後にもメジャーリーグ入りを希望したようだが、ロッテに遺留されている。問題はメジャーリーグでは25歳までの外国選手とはマイナー契約しか結べないことだ。佐々木は年俸40万ドル程度の薄給を承知でメジャー挑戦し実力で高給を勝ち取る決意のようだ。だがロッテにとっては剰余金がスズメの涙程度になる。25歳まで佐々木が順調に行けば、山本以上の評価になるだろう。だからロッテとしては多額の譲与金のため何とか25歳まではひきとめたい。メジャー球団にとっては、少しでも早く安いほうが良いに決まっているので、25歳前の挑戦は大歓迎である。もし挑戦すれば、バーゲンセールで全球団が名乗りを上げるだろうが、全球団格安金額なら、将来の環境を考えて温暖な西海岸のドジャースに入るだろう。ただし現実的には、格安でメジャーに挑戦してTJ手術の可能性も大きく、その場合評価がガタ落ちするリスクがあるので、25歳まで待つ方が良いと思う。