海外ドラマ「シャーロック」は必見の傑作である。海外ドラマ史上の傑作としては、1970年代の「刑事コロンボ」がある。コロンボ役は義眼の個性的脇役だったピーター・フォークで、毎回ゲストの有名俳優の殺人のトリックを、コロンボが暴くというストーリーだった。その後、コロンボを越える傑作は、「新刑事コロンボ」も含めて出てこなかったが、「シャーロック」はコロンボを凌駕する傑作である。誰もが知ってる名探偵シャーロック・ホームズを現代的にアレンジした内容だが、ホームズ役のヴェネディクト・カンバーバッチとワトソン役のマーティン・フリーマンの名コンビが見事な演技を見せている。さらにハドソン婦人やレストレード警部らの脇役との息もぴったりである。サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコックを生んだ伝統あるイギリス推理物ならではの作品である。ちなみにホームズの作者アーサー・コナン・ドイルは眼科医で、患者が来ないので、余技として推理小説を書いたら、「シャーロック・ホームズの冒険」が大成功したとのことである。映画ではロバート・ダウニー・JRの「シャーロック・ホームズ」がヒットしたが、予算10分の1以下と思われるTV版「シャーロック」は、面白さではまったくひけをとらない。