オリンピック女子マラソンの選考は、揉め事の歴史である。世界選手権と国内3マラソンの4レースから3人を選ぶので、気温やコース難度、対戦相手などの条件の違いが生まれるのと、選考基準に明確さがないのが原因である。選考基準の不明確は、有力選手を救うための意図的なものであろう。選考で一番大事なのは公正さである。世界選手権で日本人1位かつメダル獲得は代表内定となるが、今回は該当者無しである。次に国内3マラソンであるが、過去国内マラソンで優勝して、代表に選ばれなかったのは、1991年に2時間31分27秒で優勝した谷川真理だけで、これはタイムが物足りなかったためであろう。1996年大阪の鈴木博美、2000年大阪の弘山晴美、2003年東京の高橋尚子は、日本人1位だが総合2位で優勝を逃したため選ばれなかった。弘山、高橋はタイムでも他の国内マラソン優勝者より劣ったが、鈴木はタイムでは1位だった。推測だが、同じ積水化学所属の有森裕子を男女混合レースの北海道マラソン優勝の実績で選ぶため、他の実業団からのクレームを抑えるための犠牲になったと思われる。国内3レースのタイム1位は、優勝以上に評価されるべきだろう。次に優勝者、それで決まらなければ、タイム順にしたらよいのではないか。横浜女子マラソンは木崎良子が2時間26分32秒で優勝した。スタート時気温22度の悪条件で、ペースメーカーが全員リタイアしたことを考慮すると、好記録であり、ラスト2.195キロを7分15秒でまとめたことも評価できる。当然代表である。また2位の尾崎好美も評価されるべきである。私的基準では、尾崎が、大阪か名古屋に再挑戦して優勝すれば代表、再挑戦しなくても、大阪か名古屋で日本人優勝者が出ず、尾崎が優勝者以外のタイムで1位なら代表に選ばれるべきである。大阪も名古屋も日本人優勝者がでなければ、タイム2位でも選ばれることになる。個人的には悔いを残さないためにも、再挑戦して欲しい。、タイムで選ばれる可能性は低いだろう。なお赤羽の世界選手権5位は混乱を避けるためタイムのみで評価すべきだ。野口、福士、尾崎、赤羽、中里の5人から2人と予想するが、走ってみなければわからない。