ボストンレッドソックスの松坂がトミー・ジョン手術を受けることになった。この手術は、肘の内側側副靭帯の損傷を補強するため、主に長掌筋の腱を採取し、肘付近の骨に5箇所の穴を開け、腱を8の字に通して結ぶ。腱は靭帯より細いが、移植するとしだいに太くなり、運動に耐えられるようになる。投手では実戦復帰までに1年以上を要する。1974年にフランク・ジョーブによって考案され、日本のスポーツ整形外科でも行われている。トミー・ジョンは初めてこの手術を受けた投手の名前で、彼は、通算288勝のうち164勝を手術後に挙げている。当初の成功率は1%未満とされていたが、現在では90%と言われ、メジャーリーグ投手の9人に1人はこの手術を受けていると言われている。レッドソックスは松坂をポスティング入札金5111万ドル、6年契約総額5200万ドルで獲得しており、1年あたり1719万ドルになる。現実の成績は、最初の2年はまあまあ、次の2年は不振、さらに今後の2年は登板不能である。投げられなくても給料は契約上保証されている。ボストンにとっては、高い買い物だったと言うしかない。松坂の穴うめウェイクフィールドの年俸は200万ドルである。