5月26日象のはな子が亡くなった。私は吉祥寺で生まれ育ち、今でも吉祥寺に住んでおり、はな子は私が生まれる前から井の頭自然文化園にいたので、ずっとお隣さんだったようなものだ。私は小学校2年ぐらいまでは、よく井の頭自然文化園に行っていたが、当時のはな子は元気で鼻で吸い込んだ水を浴びせられた記憶がある。象舎の隣には大きなふたこぶ駱駝がいた。当時は吉祥寺駅は木造で、中央線はまだ高架ではなく踏切があり、ラーメンが50円で食べられた。その後は自然文化園に足を運ぶのは、数年に一回になり、最後にはな子を観たのは、10年前ぐらいである。外見的には昔とあまり変わっていなかった。国内最高齢の象として、69歳で亡くなったが、住宅街に接した静かな環境で、狭いがのんびりと暮らしたことが長寿につながったのだろう。1947年タイで生まれたはな子は、1949年に戦後初の生きた象として来日した。その後は多くの子供たち(大人にも)夢を与えてきた。長生きして、多くの人に愛されたのだから、幸せな象だったと思う。