人は、目の前で行われたことでも気がつかないことがある。ハンズフリーでも携帯電話を使用すると、前方への注意が損なわれて、目の前の物でも見過ごして、事故の可能性が3倍に増える。未熟な者ほど自信過剰だが、人は自信に満ちた行動をとる相手を有能と勘違いしがちである。詐欺師をCONMANと言うが、CONはCONFIDENSE(自信)の略語で、自信のある態度に人は騙されやすい。
医師についてもこれが当てはまる。診断する際に本を参考にする医師より、何も見ずに診断を下す医師を、患者は高く評価しがちだが、これは間違いであることが多い。「錯覚の科学」という本には、人の犯しやすい様々な間違いの事例が乗せられている。