読書以外の私の娯楽は映画である。私の映画鑑賞歴は3歳頃から始まる。洋画では1959年日本公開の「シンドバッド第7の航海」、邦画では1960年公開の「モスラ」を、親に連れられて観た記憶がある。いずれも特撮映画である。私は吉祥寺生まれだが、当時の自宅から井の頭通りを隔てた斜め向かいに「スバル座」という洋画館があり、通学路にも映画の宣伝ポスターがあちこちに貼ってあった。当時は、SF,ホラーなどは際物扱いだったので、低予算のB級映画がほとんどだった。SFは1968年の「猿の惑星」、ホラーは1973年の「エクソシスト」から、興行的に大ヒットが見込めると評価されるようになった。SFは1977年制作の「スターウォーズ」以降ハリウッド映画興行の主流になったが、ホラーはいまでもB級ムードがある。現在のSF大作はアメコミ原作が主流で、全米大ヒットでも日本では流行らないものが多い。今年公開の「アベンジャーズ」と「ダークナイトライゼズ」も日本では苦戦しそうである。ホラー映画は残酷描写が多くなり、子供には見せにくくなり、若者向けになっている。無名の若手俳優が演じる若者グループが、次々に殺されるというパターンの低予算映画が主流である。ホラーと言えるか微妙だが邦画の「バトルロワイヤル」は海外での評価が高く、今年全米で4億ドルの興行収入をあげた「ハンガーゲーム」は、模倣作という意見がある。